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新聞記事から


新聞記事から…

世界初、凍結受精卵で子犬凍結受精卵から生まれた2匹の子犬に寄り添う、
ラブラドルレトリバー「マロ」(奥)=

 帯広畜産大(北海道帯広市)の研究チームが、
盲導犬として使用するラブラドルレトリバーの凍結受精卵を別のメスに移植し、
子犬を誕生させることに成功した。
研究チームによると、凍結受精卵で子犬が生まれたのは世界初のケースという。

 盲導犬は訓練前に避妊手術が必要なため、
後に優秀で資質が高いことが判明しても、子孫を残すことができなかった。
避妊手術前に人工授精させた凍結受精卵であれば、
半永久的に保存も可能で、長期的な繁殖計画も立てやすいことから、
盲導犬不足の解消にも弾みがつきそうだ。

 実験は、同大の鈴木宏志教授(発生工学)の研究チームが、北海道盲導犬協会
(札幌市)の協力を得て行った。
訓練中の盲導犬と繁殖犬の凍結受精卵を、
同大が実験用に飼育しているラブラドル「マロ」(3歳)に移植したところ、
今月8日に3匹の子犬が生まれた。1匹は死産だったが、
鑑定結果から、3匹とも凍結受精卵による出産と確認された。

 鈴木教授によると、犬の受精卵は解凍後の生存率が低いため、
これまで成功例がなかったという。
同教授は、受精卵をマイナス196度まで急速に凍らせて
細胞への損傷を最小限に抑える方法で、生存率を上げることに成功した。

 盲導犬は、人なつこく穏やかな性格が重視されるため、約1年の訓練後の
「合格率」は3~4割程度。
盲導犬を希望する人は
全国で約8000人近くいるとされるのに対し、
実働犬は約1000頭で、
鈴木教授らは今後、凍結受精卵を使った繁殖技術の実用化に向けて
実験を続けるという。

【凍結受精卵】 人工授精させるなどした卵子を超低温タンクなどで冷凍して
長期保存する技術。
本来は羊など家畜の品種改良で開発された。
家畜以外では、米国の研究機関が、
絶滅の危機にひんするアフリカの野生ネコの凍結受精卵を
家ネコに移植して、出産に成功した事例などがある。

(2008年9月20日 読売新聞)

    以下 署名
by wappagamama | 2008-09-25 08:34
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