10月上旬、ひどい腰痛で来院した30台の男性。 職業…建築業。 紹介者…常連患者のiさん。 主訴…腰痛。 問診のため椅子に腰をかけてもらったときも、喉でうなり声を発している。 新患カルテ作成のため、パソコンに向かいキーボードを叩きながら質問している間も、体の動きが非常に不自然。 長身でガッチリした体格のようで、声があっちこっち揺れ動いていることからして、姿勢が一定していない様子が読みとれる。 ぎっくり腰になったという感覚はないが、ひと月ほど前から違和感があり、最近急激に痛みがひどくなって仕事に支障をきたしているとのこと。 「診察」 脈診…腎虚 肝実症(じんきょ かんじつ症) 左手首の肝の脈にとげとげしたもの、同じくその隣の腎の脈がすこぶる空虚。 痛みは肝が司り、腎は持って生まれたときからの生命力を司っている。 まだ30代という若さと頑強な体格をしているのに、「腎」の脈がコレほどまで虚しているのが気になる。 紹介してくれたiさんから聞いてるといって、最初っからパンツ一兆で望んでくれた。全身の診察もすこぶるやりやすい。 触診…(腹診大腹(臍より上)胃・肝・脾いずれも調整を要する 少腹(しょうふく 臍よりした)著しく空虚、銀鍼で補法とお灸で補う。 両背部がガジガジ、右側腰部に硬い硬結(こうけつ) 鍼灸治療を受けるのは初体験とのことだったが、治療中盤になったら結構リラックスしていた。性格が人懐っこく温厚だということもありそうだったが、お任せタイプになっていたようだった。 最後全身マッサージでは、「あぁ~ きんもちいぃっ~」 とほとんど恍惚状態^ 仕事をしていても集中力が一時間ほどしか持たない。昼休みにご飯を食べながら目を開けていられなくなり居眠りをしているとのこと。 治療後最後のこの一言で「ヤッパリ」と全て納得。 コレはただの腰痛ではないと確信! この若さで「腎」の脈がこれほどまでに空虚していること、それに臍からしたの小腹があれほど居していたわけがはっきりした。 患者さん「あといつ来ればいいですか?」私「この治療があっているかどうか一日様子を見てください そして 良かったと感じたら少しの間毎日続けてください」と言い切った。 この患者さんの様子からして、単発治療だけではどうにもならないだろうことが手に取るように感じる。 腰痛だけではなく本当はそのほかにも何らかの困っている症状があるはずである。 初回ということもあり、深く追求はしなかったが、あとは患者さん自身がこの治療に対してどうゆう反応をし召すか、そして、現在の腰痛といいそのほかの症状といい、それが患者さん自身どの程度に感じているかいかんによって決めることである。 一日置いて二日目から、5日間連続通院治療を継続。 案の定二回目三回目と来院するたびに、普段から気になっていた自分の身体の症状を語り始めた。 ひとつめ・毛髪が薄くなって気になっていること。 更に二つ目・前立腺に異常があり、排尿が一時間おきくらいにどうにも我慢しきれなく頻発している。 みっつめ二人目の子供が欲しいけどなかなかできないで困っている。 このみっつの症状は明らかに「腎虚症」特有の症状である。持って生まれた生命力の低下でおきる症状である。 というように次々と悩みを打ち明けてくれた。 このどれを取っても本人夫婦にとってはすこぶる深刻な問題であるだろうことが伝わってくる。 そして連続集中して五日間の治療が終わったころ、一時間しか持たなかった集中力がお昼ころまで持つようになった。そして何より夜の晩酌がおいしくなって夜もぐっすり眠れるようになった。 以前は、晩酌のコップを持ったまま目を開けていられなくなり寝ていた。夜腰痛が気にならなくなり朝までぐっすり寝られるようになった。と喜びの言葉を発してくれるようになっていた。 このころにはもうわが治療院の経絡治療に対してすっかり信頼をしてくれるようになっていた。 初診時、腰痛だけの訴えだったけど、次々と集中力・育毛・前立腺・子供が欲しいとひとつひとつ治療箇所と治療内容が増えていった。 施術をするこちら側にしてみれば、それは半端じゃなく難儀なことである。 でも今この治療別途に身をゆだねているこの青年の?悩みがどれだけ解消されるだろうかという期待感が強くなり、夜の来院にもかかわらず私自身は治療家の魂が燃える。 週に三回午後6時半から、シャワーの浴びた手であろう香りを全身から発し、治療別途に横たわる。 そして私が脈診を終えたころには、その後の自分の体調を話し始める。 1・集中力が夕方まで持つようになった。 2・腰痛がだいぶ楽になったのでうっかり油断したら、今度は足首が痛くなった(わらい) 3・足場に上がっている間はおしっこが我慢できるようになった。 4・何より晩酌がおいしい。(笑い) そして更に先週初め、「なんか うちの神さんできたかもしれないって行ってた」ん?あそう おめでとう^ とはいっても私自身まさかという気持ちの方が強かったので、それ以上は追求しなかった。だって うちの治療を受ける前に受胎したのかもしれないと言う思いがあったので?… だって 治療開始してから一ヶ月ほどしかたっていないシィ?…そうですよ、勿論前立腺の治療は男性としての子作り能力強化も必然的に伴っているのだから、とはいってもそんなに都合よく簡単にその成果が現れるなんて?…とその日はその話題に関してはそこでスルーした。 4・一日置いて来院した際・ベットに横たわるやいな、「検査したら現在7ミリ、受胎しています」といわれたとうれしそう! 「え!? 7ミリ!? っていうことはいつ受胎したの? いつの子かわかる?」とまぁ 私としては 恥ずかしげもなく? と口走ってしまった以上 後へは引けない 治療家の立場で追求するしかない(?笑い いや まじ) 患者さん「ウン 鍼してもらうようになってから元気になって、うちのかみさんももしかしたらっていってたけど、いつもぬか喜びさせられていたのでまたかと思っていたけど、確かに受胎していたらしい」? 10月の整理が遅れていたのと何か今度こそ歯って思ったらしいです、俺もそんな風に感じていました。と何とも治療家名利に尽きるうれしい報告でした^ 後は7ミリの子が無事に順調にお腹の中で育ってくれることを祈るのみ… 鍼灸治療でここまで影響力があるとは普通の人は思いもよらないでしょう?
by wappagamama
| 2015-11-08 14:19
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