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初挑戦への裏話「カヌー編」


今回の記事は、 研修会のスケジュールがこんなにも強行軍になってしまった経緯と言い訳を記載します。

 あれは初夏のころだったろうか。
「今年の盲導犬研修会は湯沢に決まりました」とほとんど事務連絡のごとく電話が入った。
今年で秋田県盲導犬使用者の会発足16年目に当たる。
盲導犬使用者の各所在地でそこに所属する使用者が地元実行委員として研修会の企画準備を担当するようになってから何回目になるのだろうか……。
田沢湖・仁賀保高原・風邪の松原・大曲花火工場などなど全国的にも名の知れた風光明媚な観光地で盲導犬と共に充分すぎるほどの楽しい研修会を経験させていただいた。

 さて 今年は湯沢ということで、「仕方がないか? もうこれ以上逃げるわけには行かない」というのが本音だった。
湯沢には上記のような風光明媚な観光地はない。
あったとしても・川原下地獄(かわらげじごく)とか小安卿温泉の大噴湯・これらは視力があってこそ楽しめる観光地である。
目の不自由な者が盲導犬と共に楽しめるようなところでは決してない。
正に地獄。一歩足を踏み外したら地獄である。そうそうもう一箇所思い出した。高松の「三途川谿谷(さんずがわけいこく)、それにマスコミで有名になった泥湯温泉!どう頭をひねっても盲導犬と共に散策して楽しめるというところではない。
代替 名称からして恐ろしいところばかり。
まだ視力のあるうちの記憶としては、それはそれなりに秘湯と言われるだけ会って、可能ならあの景色をもう一度見てみたいという気持ちがどこかにまだ存在している。
視力がだめなら足腰が達者なうちにもう一度この足で歩いてみたいと思わないわけでもない。
まぁ 私個人的な見解は置いときましょう…。


 治療に来院した患者さんたちにもいろいろ相談してみたが、「盲導犬と共に」という言葉でいずれも会話が止まってしまう。
そこで思いついたのが「カヌー体験」。
数年前友人のお誘いで、カヌーに乗ってみないかといわれ、好奇心大勢な私としては、前後左右何も考えないで二つ返事でOKしたのだった。
初めてのその体験の際、狭くてグラグラ不安定にゆれているそのカヌーに、何度促してもエルモは嫌がった。
ヤット舟に足を踏み入れてもグラッとしたとたんそのまま向こう川の川に飛び跳ねてしまうという繰り返し。
見かねた巨体のスタッフの方が猫の子を抱き上げるかのようにカヌーに乗せてくれた。
「後はまな板の鯉」
ところが、遠浅の川に降り立ったとたん「バッシャンバッシャン」と大きくジャンプして大はしゃぎ!!!
尻尾も耳もちぎれんばかりにぶっ飛んでいる!!!
元々川が大好きなこの犬種ということもあり、自然に帰って思い存分本来の持って生まれた本性というか喜びを体験しているエルモの姿を見ていて、私自身大いに幸せな気持ちになった。
普段私たちのために健気にがんばってくれている盲導犬ちゃんたちを自然の中で自由に楽しませてあげたい! というのが私の一番の目的だった。

 カヌー倶楽部会長さんは偶然にも私の患者さんのご主人であり息子さんだったという関係から、交渉は二つ返事で即お受けいただいた。
そこまではとんとん拍子に進んだが、以後異常気象という酷暑が続き、体験会場予定の雄物川は干上がったしまっていた。
雨乞いをしながら川の水量を気にする毎日をすごしていた。
彼岸にはいり二日目から念願の雨が!…。
とたん!今度は一変して寒くなり、川遊びどころではなくなってしまった!。
「一喜一憂」とはまさにこのこと!
「もう カヌーはあきらめよう」… … …

 参加してくれる会員さんたちに、「カヌー中止の場合は 温泉」と明記してある。
温泉に入れる準備をしてきてください。と連絡していただいたり・また少しお天気具合が持ち上がってくるとカヌーの準備をと、参加者もリュックへ「温泉」・「カヌー」の道具を入れたり出したり直前まで気がもめることもめること!!!
「アァー こんな企画するんじゃなかった!!」と何度思ったことか… …。

 カヌー倶楽部会長のfさんは「大丈夫ですよ、川の水量胃によっては沼などでもできますのでそのときの天候具合によってなんとでもできますから心配しないでください」と力強いお言葉。とはいっても寒かったらどうしようもないという思いが頭から離れない。
そんなに木を門でいなければ生けないんだったら最初っカラ温泉にすれば良かったと弱気になる一方。

当日29日、少し曇ってはいるものの、tシャツでもいいくらいの暖さ。
川の水もそんなに冷たくないとの事。
後はやるっきゃない!!!
初体験の参加者さんたちはそれでもまだカヌーに対する知識も十分な説明もないままに恐る恐るライフジャケットを装着!
最後まで河は苦手だからといっていた参加者までが結局2回・3回と乗船した。
未知の世界への挑戦ということでイメージができずに無駄に恐怖感があったようだ。私のような無謀な人間ばかりではないことも今回知った。事前にもっとイメージができるように説明が必要だったことを反省。

参加者の皆さんへこんな無謀な企画にもかかわらず、文句も言わずに同調していただいたことに心より感謝申し上げます。
ご支援いただきました皆様方本当にありがとうございました。
by wappagamama | 2012-10-07 13:14
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