人気ブログランキング | 話題のタグを見る

新春の待合室その5


          「もう一組の家族の会話から」

 わたしの隣に腰をかけている女性。
どうも もう一人のおばあちゃんのお嫁さんのようだ。
隣に座っている旦那さんとの会話が耳に入ってきてしまった。
その人は ボソボソと旦那さんにだけ聞こえるように口の中でつぶやいていたつもりのようだが、反対側の隣に座っているわたしにもはっきり聞こえてしまった。


 そのお嫁さん「も イライラの限界だ」
その旦那さん「うだが」
たったその「うだが」のひとこと、あとは無言。
「限界だ」といった嫁さん、「うだが」といった旦那さん、
このひとことふたことの会話の奥には、いかばかりの深いドラマが秘められているのだろう?


 そんな息子夫婦の会話を知ってか知らずか、いや 知らないほうがいいかも?…。
なんとも可愛い声の、おばあちゃん、「えさかえったら とも子に足の爪切手も羅輪にゃバでぎにゃな?」
その隣に座っていた息子、「えさ帰ったら とも子さ頼め?」
ばあちゃん「なんたごどあるがわがらにゃがら いっちもきれんにしてにゃばでぎにゃおんだなー?」
息子「うだうだ」
とその会話のやり取りは、とっても穏やか。


 年老いた母親と、その面倒を見ている自分の嫁さんの間に挟まって、ホントに少ないことばでお互いの気持に逆らわず、穏やかにやり取りしている息子。
二組の家族の会話を聞いていて、思わず噴き出しそうになったり、ほほえましく思ったりしながらも、我が家はどっちのタイプだろう?などと、勝手に思いをはせていた。


先ほどから 我が家の息子が、横に座ってスースー居眠りしている。
「チョット チョット あんた あの親子の会話を聞いて見れ?」
といいたいところだが、グット我慢した。
わたしの中には、年老いた母親と、その家族の関係を見ておいて欲しいという思いがあったからなのかもしれない。

              次回へつづく
by wappagamama | 2009-01-05 15:21
<< 新春の待合室その6 新春の待合室その4 >>