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福祉ニュースから


1.毎日新聞創刊144年記念:視覚障害者に光、94年

以下、本文です

1.毎日新聞創刊144年記念:視覚障害者に光、94年
2016年02月21日 毎日新聞 東京朝刊
 ◇自立支える点字毎日
 21日、毎日新聞は創刊144年を迎えた。約1世紀半の間の毎日新聞の活
動は、内外のニュースを読者に届けることだけではなかった。社会的弱者に目
を向け、「ユニバーサル社会」を実現するための活動も続けてきた。世界でも
例がないといわれる点字新聞として知られる「点字毎日」、社会福祉活動を続
ける「毎日新聞社会事業団」を紹介する。
 点字毎日は、大阪毎日新聞の新社屋完成記念事業として1922(大正1
1)年に創刊。定期的な点字新聞の発行は国内唯一で、世界的にも例を見な
い。
 誕生のきっかけは、英国に社命留学していた大阪毎日新聞記者、河野三通士
(みつし)が日本初の盲人留学生、中村京太郎(後の初代編集長)と出会い、
中村の留学を援助していた弱視の貿易商、好本(よしもと)督(ただす)とも
知り合ったことだ。利益のほとんどを盲人福祉にささげる好本は河野に「新聞
記者は意識せずとも罪作りが多い。罪滅ぼしをしてはどうか」と説いた。
 帰国後、河野は点字新聞の創刊を提案。収益面を懸念する声が多い中、当時
の社長、本山彦一の「これはいい案だ。ぜひやろう。損得など問題ではない」
の一言で実現したのだ。
 創刊号で中村は理念をうたう。「失明者に対して自ら読み得る新聞を提供
し、本社発行の各種の新聞とあいまちて、新聞の文化的使命を徹底せしめんと
するにほかありません。かくして、一方には盲人に対し、一個の独立せる市民
として社会に活動するに必要な知識と勇気と慰安とを与え、他方には、これま
で盲人に対して眠れる社会の良心を呼び覚まさんとするにあります」
 中村は各地で点字毎日を使った講習会を開き、普及に努めた。当時は点字は
文字と認知されていなかったが、キャンペーンを展開した結果、普通選挙法施
行(25年)と同時に点字投票が認められる(世界初)。点字毎日では盲学校
用の点字教科書をいち早く発行し、全国の盲学校に贈った。今年で85回目を
迎える全国盲学校弁論大会などの事業も創設し、視覚障害者と社会とを結ぶ懸
け橋の役割を担ってきた。
 また、見えない、聞こえない、話せないという三重苦を克服したヘレン・ケ
ラーが55年に点字毎日を視察。99年には天皇、皇后両陛下が編集から印刷
までの製作工程を見学され「これからも良い仕事をなさってください」という
言葉が寄せられている。
 一度の休刊もなく九十余年、発行を続けてきた点字毎日。情報環境の多様化
に対応しながら、98年に記事を活字化した「点字毎日活字版」を創刊。20
03年には点字記事データを自宅に送る「点字電子新聞」の配信を始めたほ
か、05年には「点字毎日音声版」も創刊、12年からは創刊号からのバック
ナンバーデータ化事業を始めた。ユニバーサル社会の実現へ、情報障害者でも
ある視覚障害者の自立を、きょうも側面から支え続ける。
 ◇福祉向上へ多彩な活動 3事業団、地域色も
 毎日新聞社の社会福祉事業は1911(明治44)年の財団法人大阪毎日新
聞慈善団(現在の毎日新聞大阪社会事業団)設立に始まる。大阪毎日新聞1万
号記念事業の一つとして誕生した同慈善団は、新聞社が社会福祉を目的に独立
法人を組織したものとしてわが国で最古の歴史を持つものだ。
 22年には東京日日新聞社内に支部が設置され、31年に財団法人として独
立した。毎日新聞東京社会事業団の前身である。
 九州地区では52年に置かれた大阪社会事業団の支部が81年に財団法人
「毎日新聞西部社会事業団」として独立。現在の3事業団体制が確立した。
 各事業団は2010年から12年にかけて順次、公益財団法人への移行を完
了した。公益化により3事業団への寄付が税制上の優遇措置を受けられるよう
になり、寄付活動促進の効果をもたらした。現在、3社会事業団は、障害者・
児童・医療・高齢者への社会福祉、東日本大震災など国内外への災害救援、毎
日希望奨学金、難民支援など国際協力、小児がん征圧募金などを連携して展開
している。
 同時に大阪でのシンシア基金(身障者補助犬支援事業)、難病の経験や障害
を持つ子どもたちのキャンプ、障害者のスポーツ大会や文化活動への助成な
ど、各事業団が地域の実情に合わせた活動を行い、社会福祉の歴史を刻んでい
る。
◇「点字毎日」創刊からの歩み
1922年 大阪毎日新聞社(現・毎日新聞社)が「点字大阪毎日」(現「点
字毎日」)創刊
  23年 「点字大阪毎日」が盲学校用の点字教科書発行を始める
  25年 普通選挙法公布。キャンペーンの成果で点字投票が認められる
  28年 全国盲学校雄弁大会(現・全国盲学校弁論大会)創設
  43年 「点字毎日」に改題
  55年 ヘレン・ケラーが「点字毎日」を視察
  63年 点字毎日「選挙のお知らせ」発行「菊池寛賞」(日本文学振興
会)受賞
  64年 「点字毎日文化賞」創設
  68年 「朝日賞」(朝日新聞社)受賞
  69年 ハンセン病療養所在園者にテープ版「声の点字毎日」寄贈開始
  98年 「点字毎日活字版」(タブロイド判)創刊
  99年 天皇、皇后両陛下が「点字毎日」ご視察
2003年 「ニュースがわかる点字版」創刊「点字電子新聞」創刊「オンキ
ヨー点字作文コンクール」(現・オンキヨー世界点字作文コンクール)創設
  04年 日本新聞博物館(横浜市)で点字毎日展開催
  05年 「点字毎日音声版」創刊
  09年 6点式点字を考案したフランスのルイ・ブライユ(全盲)生誕2
00年を記念し、英語の点字で表記した特集号を製作、186カ国・地域に寄

  10年 秋篠宮ご夫妻が「点字毎日」ご視察
  12年 バックナンバーデータ化事業開始
by wappagamama | 2016-02-23 08:56
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