日盲連ニュース「ガイドヘルパーのことば」

全盲記者・岩下恭士のユニバーサロン:ガイドヘルパーの言葉
2015.04.19  地方版
 視覚障害者が外出した時、周囲の情報を提供してくれる人がいる。ガ
イドヘルパーだ。全盲の私でも、スーパーに行って店員に欲しい商品を
伝え、レジで購入するだけなら一人でできる。だが、ガイドヘルパーが
いれば「今日はヤリイカがおいしそう」「こちらのポテトサラダの方が
1日賞味期限が長い」など選択の幅がはるかに広がる。
 2011年10月、旧障害者自立支援法に基づいて「同行援護事業」
がスタート。それまでの移動支援事業では、ガイドヘルパーの役割は目
的地までの誘導に限られていたが、新たに「情報提供」と「代筆、代
読」が盛り込まれた。例えば、通院同行の場合、それまで院内に入れな
かったガイドヘルパーが、診察室やトイレにも付き添いできるように
なった。男女問わず利用者から依頼希望が多いのは、圧倒的に女性ヘル
パーだそうだ。特売品などに敏感な女性の感覚の鋭さを考えるとうなず
ける。
 昨年、創立20周年を迎えた特定非営利活動法人「点訳・音声訳集団
一歩の会」(東京都練馬区、岩野英夫理事長)はその事業所の一つ。点
字図書、録音図書の製作・貸し出しから移動支援まで、視覚障害者を
トータルにサポートする。首都圏の会員の依頼に基づき、60人の登録
ヘルパーが赴いて、買い物や通院、散歩などに同行する。
 宮永多美子さん(52)もそんなヘルパーの一人。同行をお願いする
と、渋谷駅前のスクランブル交差点で「ライブカメラがたくさん設置さ
れていて、その上に全部ハトが止まってます」と説明を始めた。宮永さ
んは言う。「周りの状況を情報として伝えるのは、当たり前だと思って
います。『うるさい』と思う方もいるかもしれませんが、『景色だと
思って聞き流してくださいね』と言いながら、目についたものを説明し
ています」=写真。気心が知れた利用者には、その人の興味がありそう
なものを意識して探すが、たいていは目に付いたものについてそのまま
話すという。宮永さんは「ちょっといいですか。花が咲いてます」と言
いながら、私の手をとって花びらに触れさせた。
 視覚情報を言葉で伝える、触覚に置き換えることで、単なる移動支援
に終わらず、全盲者の目に視覚世界が広がる。「クオリティー・オブ・
ライフ(生活の質)」を向上させてくれる。
支援する側から見れば、これだけで生計を立てるのは難しいが、最短32
時間(4日)の養成コース受講で、誰もが始められる、血の通った支援
の一つだ。
 ◇いわした・やすし
 10歳で両目を失明した全盲記者。1986年、毎日新聞社入社。点
字毎日編集部を経て、98年から人に優しい社会の仕組み「ユニバーサ
ルデザイン」をテーマにネットコラムを配信。52歳。







事業所の車には乗れないという法律なので、市内の用事のときは全て歩き
[PR]
by wappagamama | 2015-04-20 18:48
<< 視覚障害者とその五箇族の皆様へ かっこだけはさまになってるでし... >>