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綾ちゃん 陸前高田に帰る…その2


  何回目かのアプローチの後、やっとホテルでランチをしようということになった。

 エルモと一緒に約束の時間までホテルに到着、入り口で待っていた綾ちゃん「私んちに行こう」と車を待たせていた。
ホテルは落ち着かないという彼女の勧めで、スーパーで買い物をして綾ちゃん地でお昼を食べながらおしゃべりをした。
なんとその間約5時間。
出るは出るは避難所暮らしのあれこれ!
ほんのひとつきたらずで経験した人間の裏表。
どんなに悲惨な立場にあろうとも、いや 悲惨な立場になっってしまった人間を目の前にして、人は本性をむき出しにするという醜さをいくつか見てしまった。
それは、肉親であればあるほど、近ければ近いほどその醜さがあらわになる。
自分たちの生活が壊される恐怖感からかもしれないが、それに対する防禦はんのうといったらすさまじいものがある。

 「まさかでしょ?」と思うようなこと、「そこまでする?」などと、表と裏の顔のあからさまなこと数々彼女の口から飛び出した。

誰かに吐き出したかったこの旨のうち、黙ってうなずいて聞いている私に綾ちゃんはストレスを解消しているようだった。
  「こんなこと、めったに人には言えないしね」と言って一息ついたとき…。
「身内ほどやりにくいものはないって、こうゆうことなんだよね」 と自問自答して納得していた。

 そこまできたら今度はこっちの番。
彼女を励ますつもりだったのかどうかそれは別として、私にもいろんなことが会ったよ。
決して綾ちゃんには負けていないと思うよ。
とまるで鬼の首でも取ったかのように、私の自慢話がはじまった(?」
「なんだあんたのほうがすごいじゃない?」とお互いをたたえ合った(わらい)
そんな経験を何度か繰り返しているうちに、自分には必要でない人かどうか見極めてシャットダウンしてしまうというわたしには特技がある。

裏と表とあまりにも違いすぎて、なおかつ 聖人君子ぶってい世間を渡っている人間はどうも信用できない。
もちろん 人間誰しも多面性は持っているが、私なりの許容範囲がある。
いや 今はそんなことの話ではなく、綾ちゃんが経験した人間関係のさまざま、暮らしぶりがよかったとき、条件がいろいろ揃っているとき、そんなときは、いい顔をした人たちが集まると思うが、そうでない立場になっている人間に対しては、世の中なかなかシビアである。
しかもその条件が ほとんど永久的だとしたら、無理に媚を売ってまで付き合ってほしいとは思わない。
このマンまでいいと思ってくれる人と付き合えばいいことだと思っている。
それも 私の特技だと思う。
というより、正確に言えば、過去の経験と、自分が目指そうとする方向性によっては、付き合う人間の「層」が変化するのも自然なのかもしれない…


 こんなふうにお互いの旨のうちを語り合ったふたりは、半世紀の時空を越えて急接近した。
by wappagamama | 2011-07-15 18:40
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