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思い出の「くちなしの花」その2


 秋も深まり、あの激暑も幾分しのぎやすくなってきた夕方、想像もつかない大きな根っことの格闘を終え、汗みどろになって腰を伸ばしたときには もう 日もとっぷり沈み意外なほどの大仕事を終えた。

 季節は晩秋になっても、気温が下がらず、紅葉の季節になってもそれは期待できなかった。

勢いよくはびこっている雑草たちを退治しようと、花壇に入った。
猫の額ほどの小さな花壇ではあるが、さまざまな季節の花が所狭しと咲いてくれている。
何の花だったか、どんな色の花だったか・ほとんど忘れてしまっているが、いつ誰が持ってきて植えてくれたのかだけはわ覚えている。

 靴で踏み潰さないように・お知りで枝を折らないように・手探りで草むすりをしていた。

 時々「アレッ これなんだっけ?」と触覚だけで確かめながら考えてしまうことがよくある。
そのときも、記憶にないものが手にあたった。
しかも、ごっつい枝ぶりに肉厚のすべすべした立派な葉っぱがいっぱいついている。
「アレッ ? これはなんだっけ? こんたどごさおれ なえがうえだっけが?」
「エッ!? まさか? ほんと?」
「生きててくれたの!? 死んでいなかったの!? ウワ~ッ すごい!」

 そうそれは まるで 思いっきり太陽に手を伸ばしているかのように生き生きと元気な発破をつけていた!
あれから2ヶ月はたっていないはず…。
あんなに悲惨な姿になってしまったくちなしの花…。
弔うような気持ちで生めたくちなしの花…。
早春の「霜」と 夏の激暑にも耐え、こんなにも見事に生き延びてくれていたくちなしの花…。

 あんなにはびこっていた根っこはまだ生きていたんだ?…。
とは知らずに、泥をしっかり洗い流しはびこっていた根っこもすっかり切り落としたのに?…。
いやいや もしかして 怪我の功名?…。
根腐れを起こさないうちに、きれいにして広いところに植え替えた形になったのかもしれない…。
本当に偶然だったが、これほどまでの災難にあいながらこんなに元気で生きていてくれたことに…。

いくら偶然とはいえ、あの災難から立ち直った私のくちなしの花。
 こんなけなげなくちなしの花を、今年また霜にやられるようなことは絶対避けなければ…
だから 今年の「鉢植え 青空 デビュー」にはいつもになく慎重になってしまう。
大半の枝葉ちょん切っちゃったので、姿かたちこそ違え、あっちこっちから新しい新芽を出して枝となっている。
さすが 花芽は見つからないが、今年は大手術をした後なので、まずは体力つくりだけに専念しよう…
by wappagamama | 2011-04-11 13:48
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